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就活生が実践したい“自己PR術”
「自己PR」と聞いて「何か華々しい経験がないといけないのでは…」と不安に思っている就活生は意外と多いようですが、そんなことはありません。
志望する会社によって自分の経験の見せ方(表現方法)を変えることが重要です。そのため自己PRを作成する前に、志望する企業研究を十分に行ったうえで、まずは志望動機を固める必要があります。そして、その志望動機と自分の経験を照らし合わせて自己PRする点を絞りましょう。
また、どんな企業にも同じ自己PR・志望動機を書いて提出する人がいますが、これは絶対にNGです。書類選考や面接時に不採用となる可能性が高いことを念頭に置いておきましょう。
まずは志望する企業とその動機をしっかり固めて
自己PRを書くには、最初に志望する企業と、なぜその企業に行きたいのかという動機を固めることが先決です。そのうえで、その志望企業が求めている人物像に、自分の経験を合わせて見せ方を変える必要があります。
以下の手順で進めていくと良いでしょう。
また、人事担当者や面接官は、就活生の成功体験よりも失敗体験に着目している場合もあります。失敗は“貴重な人生経験の一つ”と考えているからです。どのような流れで失敗して、どんな手順を踏んで乗り切ったのか、どんな周りの助けがあって挽回したのか、その時に自分はどう感じて、どう思ったのかという視点も盛り込んでみましょう。これもまた、華々しい経験と同じように大きな失敗でなくてかまいません。
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自己PR 添削ポイント
自己PRのNG例を用いて、添削ポイント、添削後の自己PRをご紹介します。ポイントを押さえて企業へ伝わる自己PRを書きましょう。
自己PR NG例
私は、周りからよく① 「おとなしそうな人」と言われますが、実際は自分から② 積極的に行動する人間です。③ 高校生までは人見知りでしたが、大学生になってから接客のアルバイトを通して、人見知りを克服することができました。接客の際には、お客さまの様子をよく見て、取り皿やお冷などお客さまから言われる前に気付いて提供するようにしています。自分から先に行動することで、お客さまからも「ありがとう」と言われることが多くなり、④ やりがいを感じています。このように、社会人になっても積極的に行動して頑張っていきたいと思います。
添削ポイント
- 1「おとなしそうな人」と言われます
- →マイナス印象の言葉をあえて書く必要はありません。
- 2積極的に行動する
- →抽象的な表現は避け、「物事に進んで取り組む」などわかりやすい表現へと言い換えましょう。
- 3高校生までは人見知りでしたが、大学生になってから接客のアルバイトを通して、人見知りを克服することができました
- →克服したとはいえ、やはりマイナス印象の言葉をあえて書く必要はありません。
- 3やりがいを感じています
- →接客以外の求人に提出する場合の自己PRには、接客のアルバイトに「やりがいを感じている」と書くことは、企業の採用したい人物像とずれてしまうので気をつけましょう。
【その他補足】
- 一番PRしたい部分を一番初めに。
- アルバイト以外でも積極的に行動した事例を盛り込みましょう。
- 社会人になってからどのように行動できるかを、企業が求める人物像に合わせて具体的に。
添削後の自己PR
私は物事に進んで取り組む人間です。例えば、接客のアルバイトでは、常にお客さまの様子に目を配り、お客さまから声を掛けられる前に必要なものを察知して提供し、仕事の手が空いた時には自ら仕事を探します。また、大学のサークルでは副会長を務めており、従来どおり会長の補佐として活動するだけではなく、新たな仕事として毎週のメールマガジン配信を担当し、サークルメンバー全員への連絡の徹底やイベント参加率アップに貢献しました。このように、貴社に入社後も率先して仕事に取り組み、いち早く業務を覚え、売上アップに貢献できるよう頑張りたいと思います。
自己PRは簡潔に 長所は具体的に
自己PRを書く際には、過去の経験に基づくものをいくつも盛り込まず、「これ!」というものを厳選してまとめましょう。また、自分の長所を書く時に「計画性がある」「チャレンジ精神が旺盛」「行動力がある」「責任感がある」「リーダーシップがある」といった言葉を使う人がいますが、これは抽象的な表現でお勧めできません。
「私はリーダーシップがあります。」と書いている人より「私は目標を持って、その方向に人をまとめて導くことが得意です。」と表現している人の方が、とてもわかりやすいですよね。自分の長所として出た言葉を辞書で調べるなどして、言葉をさらに分解すると相手に伝わりやすくなります。
また「私は○○の経験から、□□が大切だということを学び、目標を持って、その方向に人をまとめて導くことが得意です。」など、長所に触れる時には必ずその根拠となる“経験”と“その時気づいたこと”“感じたこと”を合わせて記入しましょう。
ワンポイントアドバイス
自己PRを作成する前に、必ず志望する企業の研究をしたうえで、志望動機をしっかり固めておきましょう。
どんな企業にも同じ自己PRを書いて出すのはNG。きちんと自分の経験を棚卸しましょう。
華々しい成功体験よりも、失敗事例から何を学び感じたかが注目される場合も。