#ガクチカ #書き方
就活の履歴書やエントリーシート、面接などで必ずと言っていいほど、よく聞かれる定番の質問が「ガクチカ」です。ガクチカとは、「学生時代に力を注いだこと」を意味します。本記事では、文章構成のポイントやエピソードを交えた例文、ガクチカの探し方、ガクチカのアピールが重要な理由など、ガクチカ対策に役立つ情報をお伝えします。
目次
ガクチカとは?
「ガクチカ」とは「学生時代に力を注いだこと」の略語で、主に就活生などの若い世代が使い始めた言葉です。この言葉が生まれた背景には、面接選考の過程で「学生時代に打ち込んだこと・成し遂げたこと」がほぼ必ず質問されることがあります。
自分の強みをアピールする点では自己PRと共通していますが、ガクチカの場合は、実際のエピソードを通して「その企業に就職した後、どう活躍できるか」をより具体的に採用担当者にアピールすることができます。
ガクチカの書き方|文章構成の5つのポイント
以下より、ガクチカを組み立てる基本構成(フレームワーク)のポイントをチェックしましょう。
1. 結論ファースト
まず、学生時代に何に力を注ぎ、どういう結果を得たのか、結論を先に述べます。物事の発端や背景から述べると、結論に至るまでの時間が長くなり、面接官に「学生時代に何に力を注いだのか」が上手く伝わりません。先に結論を伝えることで、聞き手は話の全体像を掴めるため、わかりやすく伝わります。
たとえば、「私は学生時代に〇〇の資格取得に力を注ぎました」や「私は入学後すぐにファミレスのアルバイトをはじめ、接客の基礎を学びました」からスタートするとよいです。
2. 動機
次に、「なぜそれに力を注いだのか」という経緯や動機を述べます。明確な動機を示すことで、企業は就活生の熱意やモチベーションを把握できます。活動をはじめたきっかけを説明する際は、具体的な目的や理由を含めると効果的です。
たとえば、「引っ込み思案の性格を変えたいと、あえて接客のアルバイトを選び、お客様と関わることに慣れたいと思いました」「将来、海外で仕事をしたいと思い、TOEICの点数を伸ばすことにチャレンジしました」などがあります。
3. 設定した目標・課題
「力を注いだこと」に対して設定した目標や解決した課題を述べます。目標は、就活生のモチベーションの高さを測る指標となるため、難易度や根拠も併せて伝えると効果的です。課題については、どのように乗り越えて解決したのか、そのプロセスを具体的に述べることをおすすめします。
目標や課題は、面接官が状況をイメージしやすいようにわかりやすく書きましょう。たとえば、「英語を使った業務に支障がないレベルとして、TOEIC800点台を目指して4年間勉強した」「600点台まではスコアを順調に伸ばせたが、700点台から伸び悩んだ」「スコアの内容を分析した結果、特にリスニングに重点的に取り組む必要があると気づいた」といった内容です。
4. 実践したこと・結果
目標達成や課題解決を目指して実際に行ったことを述べます。面接官が一番気になるのは、「具体的にどう行動したか」です。「最後までやり遂げた」や「努力が実った」など曖昧な表現ではなく、具体的な行動や工夫がどういう結果につながったのかを述べましょう。この際、冒頭の結論と矛盾しないように注意が必要です。
たとえば、「600点台までは問題集や参考書を使って独学で学んだが、その後伸び悩んだため、大学で知り合った留学生に個人レッスンをしてもらった」「苦手なリスニングの点数を伸ばすために、毎日公式テキストのシャドーイングに取り組んだ」などがあります。
5. 学びの生かし方
経験や結果を通じて学んだことや得た強みを、どのように企業で生かせるのかを述べます。「入社後は経験や結果を〇〇として生かせる」など、具体的な内容にすることが望ましいです。
たとえば、「目標を決めて、いつまでに結果を出すように逆算してスケジュールを立てられるようになった。貴社に入社した後も、この経験を生かして、マイルストーンを立てながら目標達成までのスケジュールを組み立て、計画的に業務を進めていきたい」などです。
ガクチカの構成を意識した例文
学生時代のアルバイト経験を、ガクチカの基本構成で作成した例文を紹介します。
【例文】
「学生時代は塾講師のアルバイトをし、数学の指導に力を注いでいました。なぜなら、多くの生徒が数学の基本知識を習得できずに苦労していたからです。
生徒の成績向上を目指し、一人ひとりの習熟度に合わせた教材を作成しました。また、個別指導や一対一の面談を通して生徒に直接フィードバックを行い、苦手意識を克服できるよう丁寧にサポートしました。
その結果、生徒の数学の成績は平均30%向上し、自信をもたせることに成功しました。保護者の方々からも「子どもが数学を勉強するようになった」と喜びの声をいただきました。
塾講師のアルバイトを通じて、生徒の成績向上を達成するまでに自ら工夫した経験と学びは、教育者としてのスキルを高め、教育への情熱をさらに強固にしました。この学びを貴社の人材教育にも生かしたいと希望しています。」
ガクチカの探し方
以下より、ガクチカの素材となる内容を探すコツをチェックしましょう。
これまでの経験を振り返る
学生時代を振り返り、「目標を立てて努力したこと」「失敗や挫折を克服した経験」「自分の強みや得意分野を生かしたエピソード」「周囲から喜ばれた・褒められた経験」などを探してみましょう。
学業、アルバイト、部活動、サークル活動、ボランティア活動、留学経験、資格取得など、自分の見聞を広めて成長につながった経験はガクチカのテーマになります。ひとつにこだわるのではなく、複数を書き出してピックアップする方法がおすすめです。
経験を深掘りする
これまでの経験から、ピックアップした内容を深堀りします。ガクチカでは「力を入れた」などの曖昧な表現ではなく、具体的にどう考え、その結果どう行動したかを示すことが重要です。「サークルで学園祭に出店する内容がなかなか決まらなかったため、どうしたらメンバーが意見を出しやすくなるかを考えた」「メンバーが意見を出しやすいように、少人数のグループ分けをした」など、自分の考えや行動を深堀りしていくとよいでしょう。
ガクチカの基本構成に沿って、深堀りした内容を落とし込みながら文章を作成すると、失敗が少なくなります。
企業がガクチカを聞く理由
企業が就活の選考にガクチカを採用している理由を事前に知っておくと、効果的なアプローチにつながります。企業がガクチカを聞く理由は、主に以下の2つです。
挑戦したことや、その結果何を学んだのかを知りたい
企業は「学生時代に何に挑戦し、どういう結果を得たのか」「そこから得た学びを、自社でどう生かしたいか」を知りたがっています。得た経験を自社で生かしたいという就活生の熱意を測ると同時に、実際に自社でどのように働いてくれるのかを具体的にイメージし、採用の判断材料にしています。このとき、結果のスケールよりも、経験や学びの深さ、課題の乗り越え方が特に重要視されます。
挑戦・努力への考え方を知りたい
企業は、「どういう課題に挑戦したのか」「高いハードルをどうやって対応して乗り越えたのか」「乗り越えるためのモチベーションは何か」などに関心があります。就活生がどういう価値観をもって物事に挑戦しているかを知ることで、自社の求める人物像とかけ離れていないかをチェックしています。
まとめ
ガクチカは、企業が就活生の人柄やモチベーションの源のほか、これまで目標や課題にどう取り組んで成長してきたのかなどを知るために行います。基本構成を押さえつつ、企業が求める人物像を意識して作成すると有利です。もし本記事を読んでもどうしてもガクチカが見つけられない方には、おすすめのセミナーがあります。
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