#ES #書き方
就職活動において、ES(エントリーシート)はスキルや経験を伝達する重要なツールです。また、書き方によって仕事への熱意や誠実さ、人柄などを判断されることが多いので、基本事項やポイントを押さえて書く必要があります。
ここでは就職活動をしている方に向けて、ESを書くうえでの必須項目や注意点を解説します。
目次
ES(エントリーシート)とは?

ES(エントリーシート)とは、就職活動において、提出する書類のひとつです。ESを用いない企業も存在しますが、エントリー数が多い企業では広く導入されています。
フォーマットは企業側が用意するので記入事項は会社によって異なり、Webから提出することが一般的です。能力や経験を問うばかりでなく、仕事に対する取り組み方や、志望動機を問われることも多いです。企業内の採用活動を担当する方が選考の第一段階で利用するため、ESの意味やポイントを知って記入することをおすすめします。
ESと履歴書の違い
どちらも就職活動で提出が求められますが、ESと履歴書には明確に異なる点があります。ESはこれから就職を希望する企業に対して、自分をアピールするためのものです。対して履歴書は、文字通り、自分の履歴=過去の経歴等を、正確かつ簡潔に伝えるための書類を指します。履歴書にもPRや志望動機の欄が設けられていますが、スペースはごくわずかです。
また、企業内での情報の位置づけとして、ESは主に採用活動に使われますが、履歴書は入社後も人事上の情報確認に使われます。このため履歴書は公的な書面としての性質が強く、内容に偽りがある場合は内定取り消しにもつながりかねません。悪質と判断されれば私文書偽造や詐欺罪に問われることもあるため、誤記入に注意しましょう。
ESを通じて企業は何を見ているのか
企業がESを導入しているのは、自社に合った人材をスムーズに採用するためです。そのため、企業がESをどのように利用しているのかを把握できれば、就職活動を有利に進められます。以下に企業が着目する3項目を解説します。
求職者の能力・性格を見ている
ESの中には、保有するスキルや、性格などを把握するための項目があります。たとえば「自分をPRしてください」、「長所と短所を書いてください」、「学生時代に最も力を入れたことを書いてください」といった質問が、能力や性格の判断材料に該当します。これらを知ることで、企業は自社が求める人物像かどうかを判断しています。
求職者の志望度・熱意を見ている
企業にとって、エントリーする方の熱意や志望度も重要なポイントです。熱意や志望度の判断基準となる質問は、志望動機や就職活動の軸についてなどストレートなものが多く見られます。また、将来のキャリアプランを問う質問も熱意や志望度の判断材料となります。就職後の将来像が自社の事業内容や方向性とマッチしていれば、志望度が高いことがわかりますし、熱意がない方は将来像を描きにくいからです。
これらの質問に対する答えが薄い場合や画一的な内容の場合、早期にふるいにかけられる可能性もあるので、しっかり考えて記入しましょう。
論理的思考力などを見ている
時事問題や事業に関連するアイデアを問う質問(売り上げアップの方法や広告案など)は論理性や思考力の判断材料になります。これらの質問は着眼点やアイデア自体も重要ですが、答え方や考え方が論理的であることも試されている可能性があります。そのため、論理に飛躍がないこと、相手が読みやすい内容であることを意識しましょう。
ESのよくある基本項目

ESで求められる内容は企業ごとに異なりますが、よくある項目、趣旨が一致する質問は多数見られます。そのため、以下の基本項目に対して答え方を整理しておくと、多くの企業に対応しやすくなります。
【ESでよくある項目一覧】
- 基本情報…氏名、生年月日、住所、連絡先など。誤入力がないよう注意。
- 学歴…中学校卒業から、学校名の省略はNG。
- 志望動機…就職活動の軸が明確なこと、対象企業の個性や魅力を踏まえていること、自分の将来像と対象企業の事業内容や方向性がマッチしていること、などに配慮。
- 自己PR…強みや得意なことをアピールするだけでなく、根拠や周囲の評価などを加えて説得力を意識。
- ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)…取り組んだ内容の解説や成果を書きがちだが、取り組み方や考え方、成果に至るまでのプロセスなども記載
- 長所・短所…自己分析ができているかがポイント。短所は強調しすぎず、対策などの姿勢によって面接官へのアピールに繋げる。
ESを書く際に押さえておきたい4つのポイント
ESを書く際には、いくつかのポイントを押さえることで伝わりやすさや好感度が上がります。以下に押さえるべき4項目を解説します。
1. 結論ファーストな分かりやすい文章にする
文章を書く際は「起承転結」が重視される場面もありますが、ESでは結論ファーストを意識しましょう。ESを導入している企業はエントリー数が多い傾向にあるため、採用担当者は多くのESを確認しています。そのため、まず結論を明確にして、それがなぜか、どういう根拠があるか、という簡潔な文章の方が企業側の記憶に残りやすいです。
2. 伝えたい内容は絞る
ESに項目を盛り込みすぎると、重要な点が埋もれたり、内容がわかりにくくなったりすることがあります。
たとえばボランティア活動について語る場合、きっかけ、成果、取り組みなどのすべてを書くと内容が煩雑になります。そのため成果よりも考え方や取り組み方、問題に対処する過程などを中心に据えましょう。企業は採用に足る相手なのかを検討しているわけですから、自分の取り組みや考え方、トラブル時の胆力などに絞った方が選考に残りやすくなります。
3. エピソードを交えて具体的に書く
伝える項目を絞ることができたら、エピソードを交えて具体的に伝わるように文章を組み立てましょう。成果は数字を交えて定量的に書くことをおすすめします。ただし、その数値の価値などへの言及が中心にならないよう気をつけましょう。
たとえばアルバイト先で利益を上げた場合、その金額などをアピールしがちですが、企業の採用活動の中では他社の利益は関心の対象になりません。そのため成果に至る背景や経験から得たものなど、具体的な記述のほうがアピールに繋がります。
4. 一緒に働きたいと思ってもらえるように工夫する
ESを通じて企業が知りたいのは、自社の事業や社風にマッチするか、一緒に働きたいと思える相手か、という点です。そのため、単純な長所・短所や成功体験、スキルの羅列だけでなく、熱意をもって業務に取り組む覚悟や、常に創意工夫をする姿勢などを伝えることを意識しましょう。
たとえば、「友人と協力して○○を達成しました」という文章は単なる成功のアピールです。一方、「○○の達成に向けて、そこまでの流れからまず△が問題と分析しました。△の克服には自分一人の力だけでは足りないため、◇が得意な私はAを担当し、並行して◆が得意な友人にBを依頼して、総合的な努力で○○に至りました。」と書けば、問題分析力、協調性、全体最適の思考、問題に取り組む熱意などを伝えられます。
企業としても成功アピールしかできない方より、問題解決のために奔走し、周囲と協力して取り組む方と一緒に働きたいと思うはずです。
ESを書く際の注意点

ESは文章で記入する場合が多いので、いくつかの注意点やマナーを踏まえておく必要があります。まず口語体(話し言葉)や絵文字、記号(「!」や「☆」、「(笑)」や「www」)などの使用はESにふさわしくありません。誤字・脱字もマイナス要因となるので、しっかり見直しましょう。
中途半端な回答や空欄があるのも悪い評価につながります。設けられた記入スペースに対して余白が多いと、やる気や熱意がないのではと思われる可能性も高いです。書くことがないからとおざなりにすることなく、全項目をしっかり答えましょう。
まとめ
就職活動においてES(エントリーシート)を採用する企業は多いです。企業側はESによって能力・性格、志望度・熱意、論理的思考力などの把握を行っています。そのため、ESの全体的な目的や、各項目で見られるポイントを知ることが就職活動の勝敗を分けます。
とはいえ、いきなり企業の目に留まるようなESを作成するのは難しいです。LHH就活エージェントでは個別の選考対策を行い、書類作成に不安がある方の相談にも対応しています。自身の魅力を最大限に伝えるためのESで内定に近づきたい時には、お気軽にLHH就活エージェントにご相談ください。