年間休日とは? 平均や計算方法、休日の多い会社に就職する方法を解説

#年間休日

就活を考えるにあたって、休日数がどのくらいなのかを重要な要素にしている方も多いと思います。そのような方のためにこの記事では、まず休日に関する基本的な情報を解説し、続いて業種別の年間休日数や、年間休日の多い業種への就職方法についても解説しています。ワークライフバランスを大切にしている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

年間休日とは「1年間の休日数の合計」

年間休日とは、会社が定めた1年間の「法定休日」と「休日」の合計数です。労働基準法で決定されている休日や労働時間を守っていれば、年間休日は会社が決めることができます。

法定休日とは、労働者が必ずもらわなければならない休日で、最低でも週に1回の休日を与える、または4週間に4回以上の休日を与えることと定められています。その他の休日は、会社の就業規則で決定しているものをさします。

休日と休暇の違い

休日は、労働者が労働義務を負わない日のことです。休暇は、労働者が労働義務のある日に、その労働義務を会社により免除される日のことです。

休暇には「法定休暇」と「特別(任意)休暇」があります。「法定休暇」は、法律上の一定の要件を満たした場合に会社が付与しなければならないものです。「特別(任意)休暇」は、会社の就業規則等に基づき任意で付与するものです。
なお、休暇が年間休日に含まれるかどうかは、就業規則が適用されますが、詳しくは後述の項で解説します。

年間休日の平均日数(企業規模別)

厚生労働省の政府統計の、令和5年就労条件総合調査概況によると、令和4年の1年間での年間休日総数の1企業平均は110.7日です。また、労働者1人あたりの平均は 115.6日です。

企業規模別にみると、「1,000人以上」が116.3日、「300~999人」が115.7日、「100~299人」が111.6日、「30~99人」が109.8日となっており、規模が大きい企業になるほど平均日数が多くなっています。

【参照元】令和5年就労条件総合調査概況|厚生労働省

法律で決められている年間休日の最低ライン

労働基準法で決定されている年間休日の最低ラインは105日です。これは以下の計算から導かれます。

同じく労働基準法で1日8時間、週40時間が労働時間の上限として決定されています。これにより、最大で週に5日、40時間働くとすれば、52週(1年間)×5日で260日が労働日数の上限となり、365日-260日=105日となるわけです。
フルタイム労働者が年間の休日を105日以上確保できない場合、労働基準法違反になります。

法定休日が付与されなかった場合

前述の通り、法定休日は週に1回か、4週間に4回以上休む休日です。会社が法定休日を与えなかった場合、会社は三十万円以下の罰金等が課せられます。

【参照元】労働基準法|e-GOV 法令検索

年間休日の計算方法(内訳)

年間休日を計算する方法は以下の通りです。

上記で既に1年間は52週であるとし、計算を行いましたが、365日÷7(1週間の日数)の式から求められます。そして、完全週休2日制の会社だとすると52週×2日=104日となり、休日は104日となります。
>次に祝日が年間に16日(2022年時点)あるので、104+16=120で、計算上120日の年間休日になります。

年間休日105日

年間休日105日は労働基準法の最低ラインです。労働基準法で決定した上限の、最大で週に5日、40時間を働くとすると、52週×5日で260日が労働日数の上限となり、365日-260日=105日となります。

この項の初めに解説した計算方法も実質同じで、1日ずれが出ますが、完全週休2日制なら52週×2日=104日となり、この時点で年間104日の休日が確定します。

年間休日110日

このパターンはいろいろな内訳が考えられます。

ひとつは、上記の通り、完全週休2日制の会社なら休日は104日となります。これに、残りの6日間を年末年始と夏季の休暇で110日とし、祝日は出勤にするパターンです。
また、祝日は休みで一部の土曜日を出勤にして、110日とするパターンもあります。

年間休日120日

カレンダー通りの休日となる場合、年間休日は120日となります。
このパターンは完全週休2日制で52週×2日=104日に、年間16日(2022年時点)の祝日を足し104日+16日=120日となります。

年間休日が120日以上というのは、ホワイト企業として判断される材料のひとつとなります。

年間休日125日

このパターンは年間休日の理想形といえるものです。上記で示した年間休日120日と、年末年始に夏季の休暇を加えて125日となります。

この休暇は年間休日に含まれる?含まれない?

休日と休暇は異なると前述しましたが、ここでは各種休暇が年間休日に含まれるのかどうかを解説します。

有給休暇

有給休暇は、一定の条件を満たした労働者すべてに与えられることが、労働基準法で定められています。雇用された日から6ヵ月間勤務を継続し、全労働日の8割以上出勤していれば、有給休暇取得資格が発生します。

条件によって有給休暇の日数は変わり、また人によって有給休暇の取得日数も変わるため、年間休日には有給休暇は含まれません。

夏季休暇・年末年始休暇

夏季休暇・年末年始休暇は、会社の就業規則で「休日」と決定されている場合は年間休日に含まれます。他にも、祝日、ゴールデンウィーク中の休暇、シルバーウィーク中の休暇等が同じく「休日」と決定されている場合も、年間休日に含まれます。

慶弔休暇

慶弔休暇は誰もが取得するものではないので、年間休日には含まれません。同様の扱いのものとして、結婚休暇等があります。
また、これらが休暇扱いになるかどうかは会社の就業規則によるため、休暇でなく通常の欠勤扱いになる場合もあります。

他に、リフレッシュ休暇などと呼ばれるものもありますが、これも年間休日には含まれません。

年間休日の多い業種

以下で、政府統計の「令和5年就労条件総合調査」をもとに、業種別の年間休日平均日数の違いについて解説します。以下の数値は、企業において最も多くの労働者に適用される年間休日総数についての割合の平均です。

「1企業平均年間休日総数」(多い順)

情報通信業 121.6日
金融業、保険業 121.5日
製造業(従業員数1,000人以上) 121.2日
学術研究、専門・技術サービス業 119.7日
製造業(従業員数300~999人) 119.2日
電気、ガス、熱供給、水道業 119.0日
卸売業 115.9日
複合サービス事業 114.4日
製造業(従業員数100~299人) 113.7日
不動産業、物品賃貸業 113.0日
医療、福祉 112.8日
製造業(従業員数30~99人) 112.3日
サービス業(他に分類されないもの) 112.1日
教育、学習支援業 111.9日
建設業 108.3日
鉱業、採石業、砂利採取業 106.5日
運輸業、郵便業 105.4日
生活関連サービス業、娯楽業 105.3日
小売業 103.4日
宿泊業、飲食サービス業 97.5日

【参照元】令和5年就労条件総合調査 産業・企業規模、年間休日総数階級別企業割合及び1企業平均年間休日総数|厚生労働省

情報通信業、金融業、保険業、従業員数1,000人以上の製造業が、1企業平均休日120日を超えており、最も年間休日の多い業種です。

また、学術研究、専門・技術サービス業、従業員数300~999人の製造業電気、ガス、熱供給、水道業、卸売業、複合サービス事業なども、およそ120日~115日の1企業平均休日があり、年間休日の多い業種です。

続いて、従業員数100~299人の製造業、不動産業、物品賃貸業、医療、福祉、従業員数30~99人の製造業、サービス業(他に分類されないもの)、教育、学習支援業が、およそ115日~110日の1企業平均休日がある業種となっています。

ここからは、いくつかの業種について詳しく解説します。

金融業、保険業は銀行などの金融機関や、保険会社等のことです。銀行は土曜、日曜、祝日と年末年始(12月31日~1月3日)が、法律で休みと定められています。そのため、保険会社等も土曜、日曜、祝日は休みとなっていることが多いです。カレンダー通りの完全週休2日制が多く、休日が多い業種です。

電気、ガス、熱供給、水道業は、日常生活を支えてくれます。これらもカレンダー通りに土曜、日曜、祝日に休める会社が多く、また、1企業平均年間休日総数と、後述する有給休暇取得率ともに上位にあり、休みが取りやすい業種です。ただし、現場でメンテナンスや修理に携わる方は、土曜、日曜、祝日であっても出勤することがあります。

製造業は、食品、衣類、乗り物、機械類等の製品を作る仕事です。やはり土曜、日曜、祝日が休みのところが多く、有給休暇取得率も高めで、休みが取りやすい業種です。工場によっては祝日勤務の場合もありますが、代わりに年末年始休暇や夏季休暇を長く取ることもできます。

また、企業間の取引であるBtoBの仕事だと、土曜、日曜の休みが多く、消費者を相手とするBtoCの仕事ならば土曜、日曜にも勤務することが多い場合があります。

年間休日の多い会社に就職するには?

年間休日の多い業種をみてきましたが、年間休日の多い会社に就職するためのポイントをここでは解説します。
求人情報をみるときは、まず完全週休2日制の会社かどうかをチェックしましょう。完全週休2日制といっても、土日が休みとは限りません。また、2日連続で休めるとも限りません。この点には注意が必要です。

また、完全週休2日制でなく、週休2日制の会社もあります。この場合は毎週2日休みが取れるわけではないので、休日の多さにこだわるなら完全週休2日制の会社を選びましょう。

【関連記事】週休2日制と完全週休2日制の違いとは? 年間休日や義務化を解説

年間休日数も大事なポイントです。カレンダー通りに土曜、日曜、祝日が休みだとおよそ120日になります。ホワイト企業とも呼ばれる休みが多い企業は、この120日がひとつの目安となります。
求人情報には、「年間休日120日以上」の条件で会社を検索できるものもあり、また更に多い125日といった求人もあるので、探してみてください。

他に、会社の就業規則で決定されている「休日」もチェックしておきたい点です。年末年始休暇、夏季休暇、慶弔休暇、リフレッシュ休暇等がそれにあたります。

有給休暇の取得率も参考にしてください。有給休暇の取得率が高ければ、休みが自由に取れる可能性も高まります。政府統計の「令和5年就労条件総合調査」をもとに、有給休暇の平均取得率を上位から順に紹介します。全体の平均は62.1%でした。

「有給休暇の平均取得率」

電気、ガス、熱供給、水道業 77%
複合サービス事業 74.3%
鉱業、採石業、砂利採取業/サービス業(他に分類されないもの) 71.8%
金融業、保険業 70.8%
製造業 70.6%
学術研究、専門・技術サービス業 70.3%
不動産業、物品賃貸業 69.2%
運輸業、郵便業 68.8%
生活関連サービス業、娯楽業 68.7%
情報通信業 68.5%
医療、福祉 68.2%
小売業 64.2%
建設業 63.7%
卸売業 62.6%
教育、学習支援業 59.4%
宿泊業、飲食サービス業 55.6%

電気、ガス、熱供給、水道業が77%と他を引き離しています。次が複合サービス事業でおよそ74%です。続いて鉱業、採石業、砂利採取業、サービス業がおよそ71%、金融業、保険業、製造業、学術研究、専門・技術サービス業がおよそ70%です。

不動産業、物品賃貸業、運輸業、郵便業、生活関連サービス業、娯楽業、情報通信業、医療、福祉が69~65%となっています。

また、有給休暇の平均付与日数を企業規模という視点でみてみると、従業員1,000人以上の企業のほうが、従業員100~999人の企業よりも平均で0.8日多くなっています。企業規模別の年間休日の平均日数も企業規模が大きいほうが高く、企業規模も休日の多さのひとつの目安になります。

【参照元】令和5年就労条件総合調査 性、企業規模、産業別労働者1人平均年次有給休暇の付与日数、取得日数及び取得率|厚生労働省

有給休暇の取得率は重要な情報ですが、求人情報だけではわからないこともあります。そのようなときは就活エージェントを利用するのもひとつの手です。 就活エージェントの調査によって、有給休暇の取得率をはじめ、なかなか得られない情報がわかる場合があります。

まとめ

年間休日の意味や休日と休暇の違い、年間休日数のさまざまなパターン、各種休暇は休日扱いになるのかどうか、業種別の年間休日数と年間休日の多い業種への就職方法などについて解説してきました。

業種や企業の規模によって休日数が変わり、会社の就業規則によって休暇の扱いも異なってきます。
休日の多い会社に就職するためには、これらの確実な情報を知り的確に生かすことが大切です。個人ではなかなか調べられない会社の休日に関する情報も、就活エージェントなら手に入れることが可能です。

休暇の取りやすさなど、企業の内部情報を知ったうえで就職をしたい場合は、就活エージェントの利用も考えてみてはいかがですか。

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