外資系企業の二次面接や最終面接対策、また、日系企業でも導入が増えているWeb面接(オンライン面接)ポイントをお伝えしますので、一緒に見ていきましょう。
目次
外資系企業の採用プロセス
外資系企業の場合、採用面接にあたっては日系企業とは少し異なる特徴を持っていることがあります。最初に一般的な採用までのプロセスを見ていきましょう。
応募、書類選考
外資系企業においても最初は書類選考から入ります。企業によって違いはありますが、基本的に提出する書類は職務経歴書(日本語又は英語)で、履歴書が必要な場合もあります。また、書類選考には人事担当者だけではなく、採用する部署のハイアリングマネージャー(現場の上司)が加わって行われます。
面接
面接は2回以上にわたって行われ、なかには面接を4~5回実施している企業もあります。このとき、適性検査として多くの企業で用いられる総合テスト(SPI)や、企業ごとに形式が異なるWEB適性検査が行われることもあります。
合格、内定
これらの過程を経て面接を突破すれば合格となり、企業からオファーレター(採用通知書)が送られてきます。この書類は、企業が正式に内定を通知する大事なものですから、必ず発行を受けてください。オファーレターが届き、自分も入社の意思があれば署名をして返送します。
以上が採用までの大まかなプロセスです。これに加えて、外資系企業では面接時に以下のようなプロセスを踏むこともあります。
リモート面接
日本支社だけではなく海外で事業を統轄する担当者と、電話やビデオまたはWeb(オンライン)通話で直接コミュニケーションを取るものです。これにより、日本での面接では判断できない英語でのコミュニケーション力が試されるほか、ビデオ面接では対面するのと同じようにその人の表情などを見ることができます。
ループ面接
これは面接を段階的にクリアしていくものではなく、何回かの面接内容を複数の担当者で協議して合否を決定する方法です。面接を経るたびに複数の担当者とコミュニケーションが取れるようになるため、入社した後もコミュニケーションが円滑に行えます。
プレゼンテーション面接
これは特にプレゼンテーションが必要となる業務での面接に取り入れられるもので、ある課題に関して自分でデータ収集、分析して作った資料を、面接当日に実際にプレゼンテーションします。
ケース面接
これは、特に外資系コンサルティング企業で行われる方法です。ある情報をもとに、問題を解決するまでのプロセスを実際に行い、論理的思考やコンサルティング能力をテストします。詳細は後述します。
Web面接(オンライン面接)のポイント
Web面接(オンライン面接)は、リアルタイムで映像を見ながら会話するため、実際の面接に近い状態を作ることができ、応募者が来社する必要がなくスムーズに面接を進められることができます。このWeb面接(オンライン面接)では、通常の面接にはない注意点がいくつか存在しています。
- 1面接を受ける環境を整える
- Web面接(オンライン面接)は自室で受けることも多いですが、できるだけ自分の後ろには何も置かないようにします。また、周囲の雑音も極力入らないようにし、自分の顔がよく見えるように照明も調整しておきましょう。
- 2服装に気を抜かない
- Web面接(オンライン面接)といえども、臨む姿勢は通常の面接と同様です。濃い目の色のスーツを着用し、カメラでは見えないところにもきちんと気を配るようにしましょう。
- 3通信環境をチェックしておく
- Web面接(オンライン面接)は、通信環境に問題があると途中で途切れてしまったり、音声が聞こえづらくなったりなどの問題が生じることがあります。そのため、事前に通信環境をチェックしておくことが大切です。また、途中でトラブルが起きた場合は、面接担当者にその旨を伝えて対応を取ってもらうようにしましょう。
- 4画面ではなくカメラを見る
- Web面接(オンライン面接)の場合、つい画面を見ながら通話しがちですが、この場合相手に見えている自分は若干目をそらした状態になってしまいます。画面ではなくカメラを見て話すことを意識することで対面の面接に近い状況を作り出せます。
外資系で良く行われるケース面接
外資系企業のなかでも特にコンサルティング企業で多く行われるのが、ケース面接です。ケース面接とは、ある情報をもとに課題を見出し、それを解決するためのプロセスを見る方法です。例えば、駅前にある本屋の売上を2倍にするにはどうすれば良いか、といった問題が出題されます。この問題では、フェルミ推定と呼ばれる計算方法を応用します。
この面接では、回答にたどり着くまでに論理的な思考ができるかを判断されます。フェルミ推定によって本屋の売上を概算するとき、立地条件や駅の大きさなどを推定し、しっかりとした論理のうえで数値を出せるかが重要です。さらに、そこから売上を2倍にするために、数値を使って論理を組み立てて回答を明確に説明できることも求められるのです。
そして、回答を得るまでの情報収集として、面接担当者に情報を求めることでコミュニケーション能力を測られるという視点もあります。情報を求めるときは、自分が立てた論理をもとに具体的な質問をすると良いでしょう。数値を求めるための論理を証明できる情報や、数値に影響する情報などについて質問をすることで、面接担当者の力をいかに借りることができるかが試されます。
最終面接のポイント
外資系企業の最終面接においても、通常と異なるポイントがあります。最後の関門を突破するために覚えておくと良いでしょう。
Point 1逆質問について
日系企業でも、面接の最後に逆質問の時間が設けられることがありますが、外資系企業の面接ではこの時間が多く設けられる場合が多いです。これは、応募者の企業や仕事に対する意欲や興味を測るためです。逆質問を用意できていないと、仕事への意欲がないとみなされて不採用になることも珍しくありません。
逆質問の内容に関しては、採用後のポジションに必要なスキル、自分のスキルを向上させるための方法、すでに企業で活躍している社員について、企業の業務や方針についてなどが主にあげられます。ただし、面接担当者が答えにくいと推測される質問は避けるようにしましょう。
Point 2最終面接がリモート面接になることも
外資系企業では、最終的に海外本社の幹部とリモート面接が行われることもあります。これは、外資系ならではの特徴といえるでしょう。現在のリモート面接はオンラインが主流です。その際にはオンラインの特性を理解したうえでの表現を身に着けておくことが大切です。
また、電話などでは声が低めに聞こえがちですから、できるだけ明るいトーンで話す練習もしておきましょう。
最終面接の結果が遅れることも
日系企業では、応募してから内定が決定するまで1ヵ月程度であることが一般的です。しかし、外資系企業では結果が出るまでに時間がかかるケースが多く、なかには3ヵ月程度かかる事例も存在します。
これは、外資系企業での人材採用において海外本社の承認を得なければならず、そのタイムラグが生じることが原因です。また、海外本社や支社の業績が振るわない場合、日本での面接をクリアしても本社からオファーが出ないといった事態が起こる場合もあります。
そのため、外資系企業で内定をもらったとしても、正式にオファーレターが来るまでは油断しないようにしましょう。転職する場合は、オファーレターが来る前に現職を退職するなどの動きを取るのは待ったほうが無難です。
外資系企業の面接においては日系企業と勝手が異なることがあります。外資系企業への転職を考えている場合、面接における傾向などを把握して準備を進めるようにしましょう。
Profile
コンサルタント 青木 龍
IT業界で15年以上のコンサルタント経験があり、外資系のITセールス、プリセールスを中心に従事してきました。ITトレンドは変遷が早く、浮き沈みを経験したことが、この仕事を始めるきっかけとなっています。新しいキャリアについてお考えの方にIT業界各社の情報を提供をさせていただきます。
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