#エンジニア #転職理由
エンジニアが転職を成功させるには、採用担当の方が好印象を抱き、納得する転職理由を伝えなくてはなりません。そのためには、どのような転職理由がNGになるのかを把握しておくことが大切です。本記事では、エンジニアの転職活動において好印象を与えられる転職理由の答え方を解説します。
目次
エンジニアの転職理由として多いのは?
エンジニアの転職理由にはさまざまなものがありますが、以下ではとくに多い理由を紹介します。
収入や待遇面への不満
現在のキャリアや保有スキル、労働時間などに給与が見あっていないと不満を抱くエンジニアは少なくありません。ITの世界は移り変わりが激しく、エンジニアは次々と新たな技術を習得しなくてはならないため、業務や自己学習を通じて日々研鑽に励んでいます。そうした努力を正当に評価をしてもらえておらず、対価が少ないと不満を抱くエンジニアは大勢います。
会社の業績が低迷しており、ボーナスの額も低く、将来に不安があると考えるエンジニアも少なくありません。「パーソル総合研究所」が発表した「ITエンジニアの就業意識に関する調査結果」によると、「ITエンジニアのキャリア不安ランキング」では、「今の会社でどこまで給料があがるか不安」との回答割合が45.9%と、2番目に多い比率となりました。
また、「レバテックキャリア」が行ったエンジニアの転職意識調査によると、転職を決めた理由の1位は「収入アップのため」となっており、全体の42.2%を占めています。
待遇や勤務条件に不満を抱き、転職を考えるケースもあります。既出の転職意識調査によると、「休日出勤や残業が多い」が13.5%、「評価制度への不満」が11.2%との結果になりました。
成長したい・経験を積みたい
企業によっては、年間を通して似たようなプロジェクトに携わることがあります。このような職場では、特定のスキルや知識には精通できるものの、視野が狭くなり、それ以上の成長を阻んでしまうことがあります。こうした環境に不満を抱き、もっと成長できる企業に転職したいと考えるエンジニアは少なくありません。
別ジャンルの仕事に興味をもつケースもあります。新たなジャンルの仕事に携わってみたい、幅広くいろいろな経験を積みたいと考えるエンジニアは、転職の道を選択することがあります。
スキルアップを目指しているものの、それを実現できる環境や体制が整っておらず、転職を選ぶエンジニアもいます。たとえば、やりたい仕事を任せてくれない、エンジニアを育成する体制が整っていないなどの理由です。
ワークライフバランスを重視したい
長時間労働が慢性化しているエンジニアは少なくありません。IT業界は慢性的な人手不足に陥っており、常に人手が足りない状態です。そのため個々のエンジニアにのしかかる負担が増加し、日々の残業や休日出勤などが当たり前のように発生しているケースもあります。
このような状況では、体はもちろん精神も疲弊し、多大なストレスを抱えかねません。ストレスから集中力の低下につながり、ミスを頻発してまた残業や休日出勤が増える、といった悪循環に陥るおそれもあります。こうした日々に嫌気がさし、エンジニアが転職を考えるのも自然なことです。
家庭の事情による在宅勤務の希望も、よくある転職理由のひとつです。たとえば家族との時間を増やしたい、育児や介護をする時間を確保したい、などの理由で在宅勤務を希望する方もいます。
【NG】面接で伝えてはいけない転職理由2つ
面接では、何もかも正直に答えてしまうのはNGです。たとえば、人間関係に不満があった、やりたいことができなかったなどと正直に答えてしまうと、採用担当の方にネガティブな印象をあたえかねません。これらの転職理由は、伝えるにしても言い方などを工夫して、悪い印象を与えないよう配慮しましょう。
人間関係に不満があるから
エンジニアにかかわらず、人間関係に嫌気がさして転職を考える方は少なくありません。職場の上司や同僚とは毎日のように顔をあわせるため、人間関係がよくないと精神的に疲れます。
しかし、人間関係は本人の努力で改善できるケースもあるため、そのまま転職理由として伝えてしまうのはNGです。転職理由として人間関係への不満を挙げることで、採用担当の方に「努力が足りなかったのではないか」「コミュニケーション力や協調性に問題があるのでは」と思われるおそれもあります。
パワハラが理由で転職する場合も、上司の愚痴などを延々と語るのはNGです。「すぐ上司に不満を抱くタイプなのでは」と思われてしまうかもしれません。
前職でやりたいことが出来なかったから
前職の不満ばかりを述べていると、採用担当の方に「うちのことも同じように悪く言われるのでは」と疑念を抱かれかねません。やりたいことができなかったと不満を述べるだけでなく、それを踏まえたうえで今後どうしていきたいのかを伝えることが大切です。
また、やりたい仕事をやるために、自分がどのような行動を起こしたのかも伝えましょう。たとえば、「希望する仕事を任せてもらえるように、自分にできることを整理して上司へプレゼンしました」といった具合です。ネガティブなことをそのまま伝えるのではなく、少しでもポジティブに聞こえるよう変換するのがポイントです。
面接での転職理由の答え方
エンジニアの転職を成功させるために、転職理由は具体的かつ客観的な視点で伝えましょう。また、できるだけポジティブな理由を考える、採用企業がメリットを感じられる内容を盛り込むなども大切なポイントです。
具体的・客観的視点で理由を伝える
「なんとなく転職したかった」といった曖昧な転職理由はNGです。熱意が感じられず、採用担当の方に「すぐ離職してしまうのでは?」と思われかねません。なぜこの企業を選んだのかをできる限り具体的に述べましょう。そのためには、事前の業界研究や企業研究が欠かせません。
「楽そうだから」「今後成長しそうだから」など主観的視点での転職理由ではなく、業界でのシェア率や数字に基づく今後の成長性など客観的な理由を伝えましょう。
たとえば以下のような伝え方です。
「私が貴社を志望したのは、AIなどの先端技術へ積極的に携われるためです。また、事業を通じて人々の幸せに貢献したいという貴社の企業理念に感銘を受け、前職で学んだ知識を生かして人々の暮らしを豊かにする技術の開発に貢献したいと考えています。」
「貴社は新たな事業へも積極的にチャレンジしています。教育関連のアプリ開発において、すでに20%のシェアを獲得しており、さらに他にはない新しい機能の実装に向けて着手されているなど、今後さらなる成長が見込めると考えました。」
出来るだけポジティブな転職理由を伝える
たとえ本人としては正当な理由であってもネガティブな転職理由をそのまま伝えてしまうと採用担当の方によくない印象を与えてしまうため、ポジティブな転職理由に変換して伝えることが大切です。
たとえば、「上司に小言を言われるのがイヤで転職を決意した」と伝えると、高い確率で採用担当の方はネガティブな印象を受けます。このケースでは、「上司は熱心に指導してくださいましたが、本当にやりたい仕事の方向性が変化したため転職を決意しました」のほうが好印象です。
また、「職場に居づらくなって逃げだした」よりも、「前の職場ではこれ以上の成長は見込めないと判断し、将来のことを考え、さらなるスキルアップを果たせる貴社を志望しました」のほうが前向きに捉えられます。
採用企業のメリットになるポイントもあるとよい
企業は、採用によって自社にどのようなメリットがあるのか、どう貢献してくれるのかを考えています。そのため給与や待遇といった自分にとってのメリットだけでなく、企業にどのようなメリットがあるのかを伝えることで、好印象を与えられます。
自分にどのようなスキルがあり、どう貢献できるか、どう活躍できるのかを伝えるには、自己分析が欠かせません。自分の強みやスキルを正確に把握したうえで伝えましょう。スキルや経験といったハード面だけでなく、まじめさや学習意欲などソフト面も併せて伝えることが大切です。
たとえば以下のような伝え方です。
「前職では、SEとして金融系システムの開発に携わっていました。貴社でも金融系のシステム開発を手掛けているということなので、これまで培った私のスキルを十分役立てられると考えています。前職ではこれまで一度も携わったことのない仕事に取り組むこともありました。そのようなときでも、情報収集と学習に励み、短期間で対応できるようになった経験があります」
まとめ
エンジニアが転職理由を伝えるときは、すべてを直接的に答えるのではなく、必要に応じてポジティブな内容に変換することが大切です。また、曖昧な理由や主観的な理由ではなく、具体的で客観的な視点から転職理由を伝えてアピールにつなげましょう。自分を採用すると企業にどんなメリットがあるのかを伝えるのも大切なポイントです。
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