皆さんこんにちは。LHH転職エージェントの箱崎です。
今回は面接時における「退職理由の伝え方」について解説してまいります。
この記事では、退職理由をどのように整理し、どう伝えるか、その考え方やポイントを解説します。最後までぜひご覧ください。
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この方にお話しを伺いました

大学卒業後、装置メーカーにて営業・カスタマーサポート業務に従事する。その後、LHH転職エージェント(アデコ株会社)へ転職し、一貫して自動車と装置メーカー等のエンジニア職を中心に転職支援を行っている。メーカー出身の転職経験者として求職者に寄り添い、生きた情報を提供することをモットーとしている。
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面接で退職理由を聞かれる理由とその重要性
― なぜ面接で退職理由を聞かれるのでしょうか?
応募者が企業に定着するかどうかを確認するため、転職理由を面接官は確認します。もし退職理由と応募者の志望動機、そして今回のポジションがずれてしまっている場合、企業としては「入社しても本当に活躍できるのか?」「叶えたいこととマッチしていないが大丈夫か?」と心配されることがあります。そのため、退職理由と入社理由のリンクがしっかりしているかどうかを確認することが、企業が退職理由を聞く目的となります。
― 退職理由は採用にどれくらい影響しますか?
100%影響します。企業は退職理由がしっかりしているかどうか、自社に入社して活躍できるかを必ず面接で確認しますので、退職理由は100%選考に影響するといっても過言ではありません。
退職理由を上手に答えるメリットとポイント
― 退職理由を上手に答えることで、面接においてどのようなメリットがありますか?
入社後に定着し、活躍する可能性が高いと面接官に思ってもらえる点がメリットです。たとえば「成長したい」「何かを叶えたい」といった前向きな理由であれば、そのポジションでの活躍がイメージしやすく、面接官に納得感を与えられます。つまり、退職理由を上手に伝えることで、本気度やポジションとのマッチ度が伝わりやすくなります。
― 退職理由を正直に話してもよいのでしょうか?
正直に話すことが基本的にはセオリーです。ただし、抽象的すぎたり、本当かどうか疑わしい内容では逆効果です。企業や面接官は、「本当のことを言っているのか」「入社後に活躍・定着できるのか」を懸念します。そのため、正しく、かつ正直に話すのが良いでしょう。
ただし、「ワークライフバランスを改善したい」「上司との関係が悪い」「通勤が遠い」といった単なる不満をそのまま伝えると、印象が悪くなることがあります。そこで大切なのは、正直さに加えて“前向きさ”を含めることです。
たとえば「ワークライフバランスを改善することで、より仕事に集中できる環境を得たい」といったように、その先にある目的を含めることで、面接官に良い印象を与えることができます。
退職理由は具体性と前向きさが鍵
― 退職理由はどの程度詳細に答えるべきでしょうか?
ある程度詳細に答えていただく必要があります。たとえば「現職で今の仕事をやりきった」「成長ができない」「働き方を改善したい」「家庭の事情で勤務地を変えたい」といった転職理由があるかと思います。
これらの理由については、大枠を伝えるだけでなく、具体的にどの業務をやりきって、どのような点で成長が難しいと感じたのか、自分のやりたいことを上司や会社に掛け合ってみたのか、それでも実現できなかったのかといったアクションまで含めて説明することが求められます。
また、ワークライフバランスや勤務地の変更、家庭の事情についても、たとえば「残業をどれくらい減らしたいのか」「現職がどれほど忙しいのか」「勤務地変更が現職ではなぜ難しかったのか」といった具体的な事情まで含めて話すことが、退職理由を伝える上でのセオリーです。
― 退職理由が人間関係や残業などネガティブな場合、どのように伝えるべきでしょうか?
ネガティブな退職理由については、納得感を伝えつつ、後ろ向きになりすぎないように話すことがポイントです。
たとえば「残業がどれくらい多かったのか」「上司との人間関係にどのような問題があったのか」といった具体的な内容は伝えてよいですが、それを深掘りしすぎると、前職や現職の悪口や、個人攻撃のように受け取られてしまうリスクがあります。
そのため、「ネガティブな状況から抜け出して、新しい環境で活躍したい」「次の仕事ではさらに成長したい」といった前向きな目標を合わせて伝えることが大切です。ネガティブな理由だけに終始しないよう注意しましょう。
自主退職と解雇、それぞれの答え方の違い
― 自主退職と解雇では退職理由の答え方に違いがありますか?
違いがあります。自主退職の場合はあくまで自分の意思で転職をしたいという思いで今の会社を退職することになりますので、どのような思いや事情があるかを伝えることがポイントです。
一方で解雇の場合は、自分の意思とは関係なく会社の業績悪化や事業所の閉鎖などの事情によってやむを得ず退職となるケースです。そのため、解雇に至った経緯をそのまま説明することが求められます。つまり、自主退職と解雇では退職理由の伝え方が異なります。
転職回数が多い場合の退職理由の伝え方
― 転職回数が多い場合、どのように退職理由をまとめるべきですか?
転職回数が多いとしても、それぞれのタイミングでどのような思いを持っていたかについては、しっかりと伝える必要があります。ただし、同じ理由でまとめられるケース(例:業績悪化、家庭の事情による転勤不可など)については、まとめて説明することで、スムーズかつ納得感のある伝え方ができます。
良い退職理由は志望動機との一貫性がある
― いい退職理由の答え方にはどのようなパターンがありますか?
退職理由と志望動機がリンクしているかどうかがポイントです。たとえば「今の会社では活かせないスキルを生かしたい」「より成長できる環境に身を置きたい」といった退職理由が、応募先企業やポジションと親和性がある場合、それは非常に説得力のある理由となります。
退職理由と志望動機、そして受けた理由の納得性が一貫して伝わっていれば、それが“良い退職理由”といえるでしょう。
悪い退職理由の例とその改善ポイント
― 退職理由の悪い答え方とはどのようなものですか?
退職理由の悪い答え方としては、ネガティブな理由だけになってしまうことが挙げられます。
たとえば「残業時間が多すぎる」「上司との人間関係が悪い」「会社が遠すぎる」「今の仕事がつまらない」「年収が低い」といった要素だけを伝えてしまうと、「どの会社でもネガティブ要素さえ解消できれば良いのか」と面接官に思われてしまいます。そのため、なぜその会社を選んだのかという理由を語れない場合は、悪い退職理由の伝え方になってしまいます。
前職について不満がある場合でも、不満をただ解消したいというだけでなく、「不満を解消した先で何をやりたいか」まで伝えるようにしましょう。
具体的には、ワークライフバランスや人間関係、勤務地、年収などの不満を解消したことで「業務に集中したい」「新しい取り組みにチャレンジしたい」「スキルをより生かしたい」など、仕事に前向きに取り組めるようになるといった目的を合わせて伝えることが、上手な伝え方になります。
転職理由を考える際のポイントと具体例
― 転職理由を考える際のポイントを教えてください。
2つ注意してほしいポイントがあります。
1つは、「退職してまで叶えたいことがある」ということです。たとえばキャリアアップをしたい、より成長できる環境に行きたい、スキルを生かしたいなど、退職という大きな決断をするからこそ、その理由が明確であることが重要です。
もう1つは、「面接を受けている会社に入社すれば、自分のやりたいことが叶うかどうか」を明確に伝えることです。もしその企業で叶えたいことが実現できないとなれば、面接官としては「定着性や親和性に不安があるのでは」と懸念を抱く可能性があります。そのため、「現職を退職し、〇〇に入社すればやりたいことが実現できる」という点を明確に伝えるようにしましょう。
― 実際に好印象を与えた退職理由の具体例はありますか?
過去に私がサポートした方の例をご紹介します。
その方は、学生時代に金属系の研究をしており、大学時代の研究内容を活かせる職場への転職を希望されていました。現職では約5年間、メーカーで設計開発のエンジニアをされていましたが、金属とは関係のない素材を担当していたため、自分の知見を活かせないもどかしさを感じていたそうです。
そこで、金属系の研究開発を行っている企業の案件をご紹介したところ、応募に進み、面接では「学生時代の知見を生かし、今後長期的にエンジニアとして活躍していきたい」という思いをしっかり伝えることができました。その結果、希望していた勤務地での内定を高評価で獲得されました。
面接対策に不安がある方は、LHH転職エージェントへご相談を
今回は、退職理由の考え方についてお話ししました。
ここまでのポイントを振り返ると、以下の3点が重要です。
- 正直に伝えること
- 前向きさも伝えること
- 退職理由と志望動機のつながりを意識すること
退職理由をどう伝えるかによって、面接の印象は大きく変わります。ネガティブな理由でも、前向きな意図や将来への意志を伝えることで、企業からの評価は確実に変わってくるはずです。
LHH転職エージェントでは、マネジメント層や専門職など、ハイクラス向けの転職支援に強みを持っています。退職理由の整理・ブラッシュアップはもちろん、非公開求人のご紹介や面接対策まで、業界に精通したコンサルタントが徹底サポートいたします。
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